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自己への配慮

自分にたいする配慮ということがすべてに優先する。(セネカ)

わが一体の家族考(147)

ウソの定義?

1958年11月27日の三重県菰野町見性寺の研鑚会では自然に、それでは〝ウソ偽りのない〟の〝ウソ〟って何だろうといった話題に入っていく。
見性寺・本堂

先日の三重県伊勢市で開催された山岸会の全国大会でも、今度の山岸巳代蔵の〝百万羽構想〟など詭弁でハッタリの固まりだと多くの会員達からの非難が集中したばかりだった。
そもそも何をウソと言うのだろう? ウソの定義とは?
いろんなウソの形が出される。こういうものもウソと言うかと、ウソの部類に入るのだろうかと…。

“法律ではあの、ウソは認められているね、道徳でも認められていますな。例えば、「貧ゆえの盗みは盗みにあらず」とかね。「花盗人は盗人にあらず」とかね。”

“事実ないものを「ある」って言うのやから、ね、ウソや。ウソやけどもやね、しかしそう言うてるうちに、本当になる。
栃木で人を送る時(一週間の特別講習研鑚会へ―引用者注)に、こっちの方へ行っては、「この人とこの人と行きますから、あんたも行きませんか」と言う。こっちの人には、「この人、この人行く、こんな絶好の機会ないから行きませんか」と、こっちはまた同じ。三人ともそいでパッと、三人とも特講へ送ったわね。こりゃあウソや、こりゃウソよ、ウソで固めたっていうようなウソよ。”

だったら相手のことを考えて言ったことはウソではないのだろうか?
ここから俄然、井上頼子の発言が増えてくる。

“私の場合は、またそれがまあ、それの連続と言ってええほどっていうんか。またか、もうそれで堪らん、堪らない、堪らないの連続で今まで来たんです、
例えば、「何日に来ます」という、もうそれより一週間くらい割引して聞いてて、それででも、まだウソになるっていうんか、そんなことの連続と言うていいくらい。”

と、もう追求したってしようがないと愛想を尽かしている。そしてこんな生活たまらない、死んだ方が楽、と切実なのだ。
これに対して山岸巳代蔵の弁明(?)が興味深い。

“一八日に行けるのを一九日と言うた、これはウソやわね、「行けるんやけども、まあ、ヤマかけて一九日と言うとこ」というのは、これはまあ一つのウソやわね。”

と、言う方ではウソつくつもりでないのだけれどもと、一九日と言う時の気持ちをもっと忖度してほしいといった口ぶりなのだ。
こういうものもウソというのだろうか? そうだとしたら、

“ウソの連続や。ウソの累積と言うていい。(……)みんなウソつきや、みんなちゅうたらいかんか、まあ、ウソはたくさん……”

その後研鑽は〝ウソ〟続きで愛情問題の核心にふれていく。当時話題になっていた井上頼子の発言、「私は、その、ママさん(福里柔和子)が先生(山岸巳代蔵)と結婚なさるのなら、私は交替します」について、言った言わん、どう言うたということまでの研鑽に発展していく。
ウソから愛情問題へ入っていき、そしてやっぱりそれがウソに戻ってくるという、三人の複数結婚の〝もつれ〟の様相を見せてくるのだ。ここでハッとする興味深い問答が交わされる。

安井 根本やらんとすぐ事実に入っていくから、混乱が起っているのや、僕に言わしたらな。根本理論から入っていかなかったら、この問題は解決せんやろう。事実、いろいろの方法が慌てて出だしたやろう。
山岸 研鑽してから愛情が起るもんと違うやろ。”

つまり混乱状態が起きるからには、言うた方の気持ちと聞いた方の気持ちとに明らかな食い違いが事実あるということだ。
ウソと聞いたと。ウソやと思うと。だが本当にウソだったかどうか、そうでなかったからウソだったとキメつけられるか?
この間の経緯を一言で言えば、山岸巳代蔵と井上頼子、山岸巳代蔵と福里柔和子との間には切っても切れない深い愛情が流れているにも関わらず、福里柔和子は自分は器が小さいのでそんな世界には絶対住めないとハッキリ言う。そしてしばらくここから離れて静養したいとさえ言うのだ。先生への愛情がフツッと消えたというのだ。三人でやるのなら、私は下ります、頼子さんと二人でやってくださいと暗に突き放したのだ。
それに対して山岸巳代蔵は、

“この危機を救ってくれ。ウソでもいい、同情でもいい、何でもいい。”

と哀願する。

柔和子 私がどうあればよろしいのか。
山岸 俺を生かした方がいいだろう。お前と頼子の放射能によって、この、まさに消えんとする命を、生気を、取り戻すことと思う。死なしてもええよ、俺を。それはええよ。俺はええのよ。俺はええのよ、それでいいのであればね。命乞いなんかしてないのよ。”

ここでの〝お前と頼子の放射能〟って何のことだろうか? 
1958年の十一月末から十二月初めにかけての見性寺での愛情研鑚会を今少したどってみることで、〝お前と頼子の放射能〟なるものの内実を明らかにしていければと思う。
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